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MARUSAN DealWatch

本邦企業の国内社債発行個別分析評価コメント、外国企業の国内債(サムライ債)分析評価コメントを定期的に掲載していきます。
国内起債市場を斬る 起債評価:6/20〜6/24
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    起債本数は激減した。3月期決算企業の株主総会シーズンに入ったためである。数字だけで見ると、財投機関債等の公共債セクターが本数・金額ともに大きく、民間セクターとしては、地銀劣後債と住友ゴム工業債くらいなものである。日本高速道路保有・債務返済機構の財投機関債は、最近、味をしめたのか2年債500億円・10年債300億円ともイールドダッチ方式による条件決定である。同機構のように意味を理解しメリット・デメリットの存在を認識している確信犯として取組んでいるならまだしも、一部の地方公共団体や公的セクターのように、公開入札が最適条件の絶対条件だと信じ込んでいることも珍しくない。入札参加者が限定されていたり、固定されていたりした場合には、入札が不適切な結果になる可能性もあることを留意しておくべきだろう。

     

    いまだに2005年、2008年のTHOMSON DealWatchや日経による起債受賞をHPで鼓舞している日本高速道路保有・債務返済機構の財投機関債には、募集金額で及ばなかったが、都市再生機構による都市再生債券の募集は、3年債・5年債・10年債の3本立てであった。当初の募集予定額は、3年債300億円、5年債50億円、10年債100億円の計450億円であったが、最終的には、3年債350億円、5年債100億円、10年債150億円と計600億円にまで膨れている。両機構の募集とも、2年債や3年債といった短期債の比率が半分以上を占めていることに注意したい。金利上昇懸念があるなら、こういった短期重視の調達は行わない。単純に負債の調達コストを下げると入っても、2年ないし3年で再度借り替える必要が生じることを考えると、当面、金利は上昇し難いと考えているのであろう。

     

    都市再生機構は事業仕分けにおいても、その事業の一部を民間に任せるべきではないかとの指摘があった機構であり、前身の住宅公団の時代から大きく住宅事情が変化しているのに、必ずしも時勢に沿った展開が出来ていないのも事実である。確かに、高品質住宅やCM展開等の変化は見られるものの、基本の賃貸・分譲といったビジネスは変わっていない。既に民間で十分に大体できるという指摘も無理はなく、過去において仕入れた土地の価格下落等で巨額の損失を抱えたこともある。

     

    今回の起債では、スプレッドが3年債で国債対比+11bps5年債で同対比+10bps10年債で同対比+9bpsと、年限とは逆相関の関係にある。3年債では利回りが低くなり過ぎたのもあるし、募集額がもっとも大きかったということもあろう。それでも、R&I及びJCRAA格と、財投機関債発行団体としては必ずしも高くない水準の格付けでありながら、ここまでタイトなスプレッドというのは正直違和感がある。投資家の購入意欲が強かったのであろう。

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    国内起債市場を斬る 起債評価:6/13〜6/17
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      起債本数は変わらず多いが、募集金額の大きな案件がなかったために、起債総額は前週までより少なく起債ラッシュのピークを過ぎたようである。スプレッドは全般的にタイトで消化も順調であるが、やや募集された顔触れも鮮烈な感じがない。決してフリークエントイシュアーではないのだが、やや癖のある発行体が多い。日本電気や双日は、いずれもかつて格付けが大きく低下したことも含めて、資金調達や有利子負債の削減に苦労した経験がある。また、地方公共団体金融機構ように、毎月相当な金額を募集している場合には、市場参加者から見て新鮮さはない。

       

      こうした中で、やや目新しい起債だったのが、商船三井の2本立てである。これまでもあまり目立つ発行体ではないが、今回の起債で取得した格付けはR&IA+格とJCRAA−格と高い格付けである。格付けの高さもあって、調達した社債は、5年債100億円と10年債200億円である。特に、年限の長い10年債はマーケティングの過程で100億円から増額されたことに注目しておきたい。国債対比のスプレッドは、5年債で+13bps10年債で+20bpsという水準である。5年債のクーポンは辛うじて0.5%を上回る0.573%で、10年債のクーポンは1.361%である。

       

      商船三井の起債に際して、主幹事証券は大和証券キャピタルマーケッツとJPモルガン証券(JPM)とが共同で務めている。前者はともかく、後者のような外資系証券が主幹事の一角に入ることは必ずしも多いことではなく、この発行体が外資系を主幹事に招いたのは今回が初めてのことだ。5年債は、約7割が地方の投資家、10年債は中央大手と地方で半々に募集ができ、きれいに分散されたようだ。この週の起債では、三井不動産が募集した10年債の共同主幹事の一角にメリルリンチ日本証券が入っている。国内普通社債(本年度第1四半期)のリーグテーブル上位は、大和CM、野村、SMBC日興、三菱UFJMS、みずほで不動だが、続くGSCITIGJPMMLは、6位争いでしのぎを削っている。中でも、JPMは、バークレーズ・キャピタル証券から、地味ながらカリスマ的プレゼンをするデッド・シンジケーションの責任者を引き抜き、一挙に8位の座に着いたのは見逃せない。勿論、各社の投資銀行部門の力の差も、ここへきてこうした数字に表れているようだ。

       

      なお、R&Iは、同社を516日に格下げ方向でレーティングモニターに指定した後、今回の起債条件決定の直前である63日に商船三井の格付けをAA−格からA+格へと引下げている。東日本大震災の影響で、自動車を中心とする輸出の低迷を考慮したものであるが、“収益力を高め、財務基盤を改善していくには従来以上に時間がかかる”と判断したものである。格付けの方向性は安定的とされており、更なる格下げの懸念は少ないが、今後の日本経済の復興度合いに注目しておくべきだろう。

      | - | 09:42 | - | - | - | - |
      国内起債市場を斬る 起債評価:6/6〜6/10
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        相変わらず、銀行の劣後債募集が1週間で複数あった中で、低格付債の募集が目立っている。A格前後の社債は、本来的には低格付債ではないのだが、BB+格以下の社債市場が新発としては機能していない日本においては、A格前後ですら低格付けと言っても過言ではない議論が多い。もっとも、東京電力の大幅な格下げと電力各社の先行き不透明感が高まる中では、高格付債そのものの存在が乏しくなっているのであることは、敢えて申すまでもない。

         

        この目立ったA格前後の起債の顔ぶれは、セイコーエプソン・丸紅・積水化学工業・東京急行電鉄・アコムといったところである。もっともアコムは、JCRA格であるが、R&IではBBB格であって、大きなスプリット・レーティングになっている。しかも、S&Pは募集の前日にBBB−格からBB+格に引下げているのである。

         

        スプレッドの分布を見ると、セイコーエプソンが3年債で国債対比+27bps5年債で同対比+28bps、丸紅が5年債でスワップ対比+7bps10年債で同対比+27bps、積水化学工業が5年債で国債対比+15bps、東京急行電鉄が15年債で国債対比+24bps、アコムが110ヶ月債でスワップ対比+315bpsである。アコムは極端な例であるが、国債対比とスワップ対比とが混在しているためにわかり難い。ややメーカーの発行する社債のスプレッドがタイトであり、丸紅のようなフリークエント・イシュアーのスプレッドは相対的に大きい。そもそもスワップ・レート対比でプライシングしているところから、意識の違いがあるのかもしれない。

         

        なお、R&IAAA格を有しているデンソーは高格付債に分類されるが、東日本大震災の影響で自動車生産の停滞・回復が見込まれる中での起債であって、スプレッドは国債対比+11bpsという水準である。同じR&IAAA格で国際協力機構の20年債が国債対比+10bpsで募集しているのを見ると、ほぼ同程度の水準ということである。もっとも、デンソーの5年債のクーポンは0.548%と辛うじて0.5%を越えたところであるのに対し、国際協力機構の20年債のクーポンは1.991%と2%近くになっている。投資家の需要は、今後、A格前後の信用力の中期債と、高格付けの長期債から超長期債に分化してゆく可能性が高い。

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        国内起債市場を斬る 起債評価:5/30〜6/3
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          5月末から6月頭にかかる起債市場では、財投機関債や銀行劣後債に加えて、様々な社債の募集が行われている。特に、メーカーの起債が複数見られたことも大いに歓迎したい。こうした中で、機関投資家向けと個人投資家向けを組み合わせての起債が2組見られたことに注目したい。しかも、いずれもこうした起債を率先して実行してきている発行体である。業種としては、ノンバンクと通信に分類される2社であるものの、内容としては、様々な投資を実行して多角化してきた会社であり、分類されている業種の枠組みに収まりきらない会社である。

           

          オリックスは、ノンバンクを中心とした金融会社であるが、海外投資に積極的であり、国内でも、保険や銀行等多様な業種展開をしており、リースという当初のビジネスが占める比率は極めて小さい。広い意味でのノンバンクと分類するしかないのであり、格付けはRI及びJCRA格となっている。かつては、AA格レベルを有していたが、リーマン・ショックの影響もあって、引き下げられている。なお、海外系の格付会社からは、かねてから高評価を得られてはいなかった。起債頻度も多く、引受証券会社泣かせという評価が定着しているものの、転換社債を活用した資金調達や増資といった取組みによって一頃懸念された金融危機を乗り越えたことで、一定の評価を獲得している。個人投資家向けとも5年債で1.03%クーポンに揃えており、個人投資家向けの200億円に対し、機関投資家向けは100億円の募集に留まっている。

           

          一方、ソフトバンクは、IT関連を中心とした投資企業といった色彩の濃い時期があったものの、ADSL回線の販売や携帯電話ビジネスの買収によって、ようやく通信業の体裁を整えた感がある。もっとも、今でもヤフー等様々な投資を有しており、国内の伝統的な金融機関から見ると、安定企業というイメージは到底浮かばない。ソフトバンクは個人向けが5年債で、機関投資家向けは3年債と年限を異ならせており、機関投資家向けが300億円の募集に対し、個人投資家向けは1,000億円と巨額になっている。

           

          両方の銘柄で個人投資家向けは5年債であり、クーポンはオリックスが1.03%で、ソフトバンクが1%と、大手の銀行預金では得られない水準である。富裕層を中心に強い需要を集めることが期待されている。なお、両社のもう一つの共通点が、プロ野球球団の保有である。もとより、球団保有は、宣伝の費用対効果という意味では社内外の批判があるものの、オーナー系の新興企業にとって、国内の知名度を高める有力な手段とされている。特に、現在のような国難の危機に瀕している場合、表面化されない士気高揚の効果は評価すべきであろう。

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          国内起債市場を斬る 起債評価:5/23〜5/27
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            起債市場は、公的セクターに加えて、銀行の劣後債や様々な業態の事業債が募集したことで、にぎやかな展開となっている。中でも、日本電信電話の10年債1,000億円や三井住友銀行の二本立て計700億円などは大型起債となっており、いずれも当初のマーケティング開始段階より巨額に需要が積みあがっている。

             

            これらの大型起債となった一方、細かく回号を分けた起債も見られている。まず、中日本高速道路は、3年債150億円・5年債250億円・7年債100億円・10年債200億円と4年限に分けた募集で、総計700億円の募集となっている。どの年限も国債対比のスプレッドは+1012bps程度となっており、AAA(R&I)格という高格付けからもタイトなスプレッドである。社債という位置付けになっているものの、日本高速道路保有・債務返済機構による重畳的債務引受条項が付されているために、実質的には財投機関債と同等という整理がされるものである。

             

            もう一つの小分け起債としては、地方公共団体金融機構である。前週に5月の10年債300億円及び20年債を募集しない月の5年債200億円を募集した後であるが、FLIPに基づく起債を多数募集している。24日に募集したのが13年債100億円・14年債30億円・15年債50億円で、25日に募集したのが14年債30億円・15年債30億円・16年債30億円・30年債30億円で、総計300億円となる。FLIP債の場合は、証券会社一社による単独引受であり、この2日間の起債でも、みずほ証券・東海東京証券・三菱UFJモルガンスタンレー証券・しんきん証券・みずほインベスターズ証券・SMBC日興証券・モルガンスタンレーMUFG証券と全部異なる証券会社が取扱っている。

             

            全般的に投資家の購入意欲は旺盛で、小口の起債で本数を積上げる起債も、大型案件で金額を積上げる起債も、何れも順調な消化状況となっている。投資家から見れば、電力債という高格付けの定例起債がなくなっているために、社債に対する購入余力は大きい。しかも、ベースとなる国債の金利が上昇しないために、スプレッドの付された一般債に対するニーズは強い。今後も暫く起債ラッシュが続くようで、幅広い業態の登場が予想されている。中でも、様々な展開で世間を賑わせているソフトバンクの起債に注目してみたい。

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