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MARUSAN DealWatch

本邦企業の国内社債発行個別分析評価コメント、外国企業の国内債(サムライ債)分析評価コメントを定期的に掲載していきます。
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国内起債市場を斬る 起債評価:7/4〜7/8
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    7月の起債ラッシュは、いきなり8日の金曜日が起債集中日となった。社債の条件決定で、一日に10本以上が条件決定するのも、年に1日か2日あるかくらいの頻度である。過去の例では、7月や1011月に出現することが多い。今回の起債ラッシュは、三菱東京UFJ銀行の個人向けが多いこともあって、ロットの面でも大きな金額となっている。

     

    三菱東京UFJ銀行は、個人投資家向けの期限前償還条項付き劣後債が1,600億円と大量の募集である。10年債であるものの、5年経過時点で償還可能であり、それ以降、1.11%の固定クーポンが6ヶ月円Libor+48bpsの変動利付きとなる。基本的には、金利が低下しない限り、期限前償還を選択するのが自然であろう。社債の金額が250万円と大きなこともあって、個人投資家向けとは言っても、少額の預金者向けとはならない。この34回債については、丸紅86回債(5年)と同時に近所の野村証券の担当からも熱心なセールスが当方にもあった。しかし、こちらから確認しなければ、劣後の「れ」の字も言わないピッチである。個人セールスの実態は、30年前も今も、何ら進歩していないのが実態のようだ。

     

    機関投資家向けは、3年債と5年債で500億円程度、10年債で100億円と金額イメジが公表されたものの、その後のニーズを集めて、3年債及び10年債が200億円ずつで、5年債は600億円となった。国債対比のスプレッドは、3年債と5年債とが+9bps10年債が+10bpsと、4月債の3年債と5年債とが+17bps10年債が+19bpsから見ると、大きくタイトニングしている。4月の中旬が、まだ、東日本大震災による混乱から十分には回復していなかったとはいえ、大きくスプレッドのタイトニングしている事実には、愕然とさせられるものがある。

     

    同様に、起債頻度の大きい住宅金融支援機構のSB型財投機関債も、今回の7月債は、10年債で国債対比+7bps15年債で国債対比+9bps20年債で国債対比+13bpsといったスプレッドであるが、4月債は、10年債で国債対比+16bps15年債で国債対比+16bps20年債で国債対比+21bpsであり、同様に、顕著なタイトニングを見せている。今後、こういったタイトニングが、より格付けの低い銘柄にまで波及しているのかを確認してみたい。特に、不動産やメーカーで起債を稀にしか行わない銘柄のスプレッド水準がどうなるかは、注目しておきたい。

     

    また、今後、電力会社の起債が可能になるのかどうかは、スプレッドよりも大きな問題なのかもしれない。国会での原発事故賠償支援法案の審議によっては、自民党の主張するように他の電力会社の負担を免除する可能性もあるため、そうなったら、起債が可能になると見る発行体・引受証券もいるだろうが、新たな地震によって既存の原子力発電所が機能を損なう可能性もあり、必ずしも安易な起債はできないだろう。特に、九州電力のやらせメールが露呈したことで、電力会社の経営体質が改めて疑問視されていることもあって、市場への復帰は、まだ先のことになるのではなかろうか。

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