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MARUSAN DealWatch

本邦企業の国内社債発行個別分析評価コメント、外国企業の国内債(サムライ債)分析評価コメントを定期的に掲載していきます。
国内起債市場を斬る 起債評価:7/25〜7/29
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    7月の最終週は、起債ラッシュだったこれまでの7月と打って変わって、節電夏休みの閑散期への過渡期となった。毎日毎日、都心の節電ムードとセシウム汚染に国民全員が注目している中で、8月の起債市場は、前半の公共債と下旬から最終週にかけての社債を除いて、閑散となることが予定されている。特に、昨年は8月の第1週に電力債や幾つかの社債が募集されているが、今年は動いている案件は見られない。損害賠償支援法案が国会を通過しても、原発の再稼働に対する是々非々が議論されている中で、電力事業全体の収益の不確実性は高く、ターゲットディール案件以外は、大規模な引受シ団を組んでの起債は、考えにくい。

     

    7月最終週の起債は、財投機関債とノンバンクの起債が目立っていた。財投機関債では、日本政策金融公庫と鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、それぞれ2本立ての起債を行っている。前者は2年債500億円と5年債600億円の計1,100億円で、後者は5年債400億円と10年債100億円の計500億円が募集されている。格付けは、日本政策金融公庫がAAA(R&IJCR)格及びAA(S&P)格、Aa2(ムーディーズ)格と日本ソブリンと同水準であるのに対し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構はAA(R&I)格及びAa2(ムーディーズ)格となっている。結局、国からのサポートを強く評価しているムーディーズの格付けはあまり意味がないと見ることができる。しかしながら、国債対比のスプレッドは、どちらの5年債も第282回長期国債+6bpsで揃っており、ムーディーズの格付けにしたがっていると言うことも可能である。

     

    ノンバンクの起債では、三井住友ファイナンス&リース及びオリックス・クレジットといったレア物な起債が見られた。前者はA+(R&I)格及びAA(JCR)格を取得しており、5年債を180億円募集している。マーケティングの過程では200億円の起債観測が上がっており、十分な需要が集まらなかったようである。国債対比のスプレッドは+24bpsであり、前週に条件決定された三菱UFJリースの同対比+16bpsよりもワイドな水準となっている。両社とも格付けは同水準であるが、スプレッドが異なる結果となっている。オリックス・クレジットは、第1回債の募集であった。社名からクレジットカード会社のように見えるが、実態は「オリックスVIPローンカード」を中心とした消費者金融業者である。社名にあることから、オリックスの子会社と考えがちであるが、実態は、オリックスの持分法適用会社でありながら、51%の株式を保有する三井住友銀行の連結対象となっている。三井住友銀行との合弁会社になったのは2009年であるが、その後、三井住友銀行がプロミスとの関係を強化したことと、オリックスの財務体力が回復したこともあって、合弁色は必ずしも強くない。こうしたノンバンクが起債するのも、起債ラッシュのラスト・シーンに見られる典型的な光景かもしれない。

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    国内起債市場を斬る 起債評価:7/19〜7/22
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       海の日の三連休明けは、様々なメーカーの起債が目立つ展開となった。ノンバンクや総合商社、鉄道、サービス関連、更には財投機関等の公的セクターもあったものの、様々な格付けを持つメーカーの起債が相次いだのが特徴ではなかったか。


      社債の募集を行った事業会社は、年限の中心が5年と7年であったが、それ以外の短めや長めといったバリエーションも多く見られた。格付けがA格以上の高めのところでは、レンゴーと大王製紙が5年債と7年債の組合せを募集している。レンゴーは各50億円で、王子製紙は各200億円であった。三井化学も、R&IA−格・JCRA+格といった格付けであるものの、長めの10年債100億円を募集している。JCRAA−格と高格付けの伊藤忠商事は9年債100億円を募集している。9年は、社債の募集年限としては珍しい年限である。住友不動産の5年債は、R&IA−格・JCRA格という格付けから見ると、妥当な年限だろう。スワップ対比+10bpsでの募集となったが、過去の低格付けで社債募集に苦労していた時期から考えると、タイトなスプレッドに対する感慨も深い。また、ノンバンクでは、三菱UFJリースは、R&IA;格・JCRAA−格で、5年債200億円を募集している。


      初めての社債募集を行ったのが、岐阜県等でスーパーやホームセンター等を展開するバローである。格付けはJCRA−格と決して高水準ではないが、5年債70億円を募集している。スワップ対比+30bpsの水準は、他の募集銘柄と比較するとややワイドに見えるかもしれないが、歴史的な水準や小売という業態の特性を考えると、タイト気味なイメージであろう。ヤオハンやマイカルのように、日本の社債市場において歴史的に小売のデフォルトがエポックメイキングな事象となっていることを投資家は忘れるべきではない。


      格付けがやや低めな水準の発行体が、幾つかの社債募集に踏み切っている。対価断熱材関連のニチアス(旧社名は、日本アスベスト)は、3月に延期した3年債の再チャレンジで募集に至った。発行額は50億円で格付けはJCRBBB格である。スプレッドはスワップ対比+48bps程度であった。次に、日本板硝子は5年債200億円を募集しており、R&IBBB格・JCRBBB+格で、スワップ対比+65bpsのスプレッドであった。なお、格付けがBBB+(R&I)A(JCR)であっても、名古屋鉄道は業種の特性が評価されて、10年債100億円を募集している。


      梅雨も明け盛夏を迎える中で、起債市場はややラッシュの峠を越えた感が強い。今後の予定を見ると、ひと癖ふた癖ある銘柄のラインアップが並んでおり、その中では、日本政策金融公庫の財投機関債が高格付け銘柄で期待されるものの、年限の短さとスプレッドのタイト化から、投資妙味は期待できそうにもない。

      | - | 10:06 | - | - | - | - |
      国内起債市場を斬る 起債評価:7/11〜7/15
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        今年の7月は電力債の募集がないものの、メーカー等の事業会社による起債が多く、条件決定の件数は多く見える。実際のところ、78日は財投機関債と併せて13本に上ったが、15日も11本と本数は多くなっている。起債金額という面では、前週は三菱東京UFJ銀行が、計1,600億円の条件決定を行ったことが寄与していたが、この週も同様に、三井住友銀行とみずほコーポレート銀行の社債募集計1,600億円が金額の積上げに貢献する結果となっている。メーカー等の事業会社による起債が本数を稼ぎ、銀行社債が金額を積み増すという構造が二週続いたのである。

         

        三井住友銀行の普通社債は、四半期定例のベンチマーク債であり、5年物500億円が募集された。国債対比のスプレッドは+9bpsである。前週に条件決定された三菱東京UFJ銀行の普通社債のうち5年物は、国債対比+9bpsと同水準になっていた。格付けだけを見ると、三菱東京UFJ銀行はJCRAA格で、三井住友銀行はAA(JCR)格と1ノッチ下位であるのだが、起債量の少なさや5年債を購入する投資家の層の厚さから、消化に問題なかったようである。なお、4月の同行の5年物普通社債は、国債対比+17bpsのスプレッドであり、相当なタイトニングとなっている。

         

        一方、みずほコーポレート銀行の5年債は1,100億円と、4月債の1,300億円を下回る募集金額となった。イメージとしては、前回起債した414日は完全にみずほ銀行のシステムトラブルが解決しておらず、翌4月債の募集金額を積み増したということだろう。東日本大震災直後のシステムトラブルでは、日本の金融システムそのものにも悪影響があり、みずほフィナンシャルグループの重大な経営問題に発展したのである。結局、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の統合(状況によっては、みずほ信託銀行を含む可能性も)という方向性が打ち出されており、今秋にはみずほインベスターズ証券等の完全子会社化が予定されている。結果的にはグループの再編に時間を必要とするために、他のメガバンクに対する諸々の遅れが目立ってしまう。格付けは、JCRAA−格と三井住友銀行債と同水準であるが、国債対比のスプレッドは+13bpsと他のメガバンクより厚めになっている。同行の4月債は国債対比+21bpsのスプレッドであり、三井住友銀行債とのスプレッド差+4bpsを維持した中で、水準訂正が続いている。

         

        これでメガバンクによる普通社債の募集は一段落となるが、上期末に向けて地銀を中心とする劣後債の募集が出てくるのか、また、メガバンクや信託銀行等も劣後債を募集するのか、注目しておきたい。

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        国内起債市場を斬る 起債評価:7/4〜7/8
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          7月の起債ラッシュは、いきなり8日の金曜日が起債集中日となった。社債の条件決定で、一日に10本以上が条件決定するのも、年に1日か2日あるかくらいの頻度である。過去の例では、7月や1011月に出現することが多い。今回の起債ラッシュは、三菱東京UFJ銀行の個人向けが多いこともあって、ロットの面でも大きな金額となっている。

           

          三菱東京UFJ銀行は、個人投資家向けの期限前償還条項付き劣後債が1,600億円と大量の募集である。10年債であるものの、5年経過時点で償還可能であり、それ以降、1.11%の固定クーポンが6ヶ月円Libor+48bpsの変動利付きとなる。基本的には、金利が低下しない限り、期限前償還を選択するのが自然であろう。社債の金額が250万円と大きなこともあって、個人投資家向けとは言っても、少額の預金者向けとはならない。この34回債については、丸紅86回債(5年)と同時に近所の野村証券の担当からも熱心なセールスが当方にもあった。しかし、こちらから確認しなければ、劣後の「れ」の字も言わないピッチである。個人セールスの実態は、30年前も今も、何ら進歩していないのが実態のようだ。

           

          機関投資家向けは、3年債と5年債で500億円程度、10年債で100億円と金額イメジが公表されたものの、その後のニーズを集めて、3年債及び10年債が200億円ずつで、5年債は600億円となった。国債対比のスプレッドは、3年債と5年債とが+9bps10年債が+10bpsと、4月債の3年債と5年債とが+17bps10年債が+19bpsから見ると、大きくタイトニングしている。4月の中旬が、まだ、東日本大震災による混乱から十分には回復していなかったとはいえ、大きくスプレッドのタイトニングしている事実には、愕然とさせられるものがある。

           

          同様に、起債頻度の大きい住宅金融支援機構のSB型財投機関債も、今回の7月債は、10年債で国債対比+7bps15年債で国債対比+9bps20年債で国債対比+13bpsといったスプレッドであるが、4月債は、10年債で国債対比+16bps15年債で国債対比+16bps20年債で国債対比+21bpsであり、同様に、顕著なタイトニングを見せている。今後、こういったタイトニングが、より格付けの低い銘柄にまで波及しているのかを確認してみたい。特に、不動産やメーカーで起債を稀にしか行わない銘柄のスプレッド水準がどうなるかは、注目しておきたい。

           

          また、今後、電力会社の起債が可能になるのかどうかは、スプレッドよりも大きな問題なのかもしれない。国会での原発事故賠償支援法案の審議によっては、自民党の主張するように他の電力会社の負担を免除する可能性もあるため、そうなったら、起債が可能になると見る発行体・引受証券もいるだろうが、新たな地震によって既存の原子力発電所が機能を損なう可能性もあり、必ずしも安易な起債はできないだろう。特に、九州電力のやらせメールが露呈したことで、電力会社の経営体質が改めて疑問視されていることもあって、市場への復帰は、まだ先のことになるのではなかろうか。

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          国内起債市場を斬る 起債評価:6/27〜7/1
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            引続き、3月期決算企業の株主総会がピークとなり、沖縄電力以外の原発を抱える電力各社が起債を見送っていることもあり、起債市場の動きはあまり見られない。日本学生支援機構の財投機関債と丸紅の社債のみである。特に後者は、18年債の単独引受案件であって、通常の社債募集案件とは異なるものである。日本学生支援機構の2年債は1月以来の募集である。1月債は今回と同様の400億円で、0.3%クーポンの国債対比+8bpsであったが、今回債は0.24%クーポンと利回りは低下したがスプレドッドは同水準を維持している。何しろ文部科学省傘下の複数の教職員系共済組合に安定的に消化されることがわかっているので、無理な起債をする必要がないのである。

             

            こうした落ち着いた起債市場であったが、7月に入ると起債ラッシュに近い展開が予想されている。まず、銀行社債が四半期の定例募集することは必至であり、中でも三菱東京UFJ銀行は個人向け社債を1,500億円発行することを予定している。その他にも、メーカーや小売等様々な起債観測が見られている。特に、東京建物の6年債に加えて、5年債及び7年債を募集する京阪神不動産の2社がその準備に動いているのは要注目であろう。果たして、不動産業態の起債が市場でどう受け容れられるのか、興味深い。

             

            小売業界では、岐阜のスーパーマーケット及びホームセンターのチェーンを運営するバローや、保険調剤薬局のチェーンを運営する日本調剤といったチェーンストアの起債が予定されている。日本の社債市場でデフォルトした代表的な業態が、不動産と小売であることから、投資家の購入姿勢をチェックする試金石となるであろう。

             

            電力債の動きが見えない中では、高格付債セクターでは、地方債や財投機関債に注目が集まる。既に住宅金融支援機構が10年債・15年債・20年債の組合せを準備している他、日本政策金融公庫も2年債と5年債の募集を予定している。また、住宅金融支援機構が30年債を募集するという噂もある。その他に、地方公共団体金融機構は、7月は月例の10年債の他に5年債を募集する予定である。

             

            最後に、鉄道では、JR東日本が5年債・10年債・20年債の合計で600億円程度の募集を準備している他、小田急電鉄が定例の個人投資家向け社債の募集を予定しているし、京阪電気鉄道も7年債及び10年債を募集する。運賃改定については、国土交通省による認可制で安定しているとされる業態であるが、電力のような落とし穴がないのか、よく検討しておくべきであろう。

            | - | 15:56 | - | - | - | - |